文書の作成が電子媒体で行われ、それがLANで伝達される情報環境は既に整備されているのである。この情報環境を活用して情報管理を行うためのソフトウェア・パッケージも揃いつつある。例えば、グループウェア・ソフトの機能の1つである、文書管理機能を活用することによって、以下のような処理が可能である。
(a)一括管理
各部局で様々なアプリケーションを使って文書が作成されるのが一般的である。この各種アプリケーションで作成されるテキスト情報に加え、静止画、動画、音声等の情報をサーバーで一括管理する。このように、様々なアプリケーションで作成された様々な形態の情報を一括管理できることは、従来の文書管理とデータ管理の分離という問題を解消するというメリットがある。
(b)文書検索
文書管理システムの蓄積された情報に、作成部局名、作成年月日、作成者名、決裁者名、タイトル等を記載しておき、各部局から自由に検索、参照することができる。このことにより、決裁過程の文書がどの段階まで決裁され、どこにとどまっているかを容易に知ることができる。
文書の検索にあたって、予め設定しておいたキーワードによる方式と、文書中の任意の文字列で検索できる全文検索の2つの方法があるが、全文検索の方が、検索者にとって、キーワード体系を予め承知している必要がなく、自由に必要な情報にアクセスできるというメリットがあるが、それだけに、メモリーの容量と処理速度が要求されるということとなる。最近のパソコンの容量、処理速度が急速に向上しており、全文検索が可能になってきている。
?A 文書管理手続の確立
文書全体を適切に管理するためには、上記のようなシステムの機能を活用するとともに、既存の文書管理規定、手続を新しいシステムに適合するように見直しをする必要がある。従来の文書管理手続上で問題となるような課題は以下のようなものが想定されるが、いずれもシステム的に対応可能になっている。このような機能を適切に導入し、省庁内における文書のライフサイクルを管理することが必要とされよう。
(a)文書台帳の管理
文書管理システムによって、省庁内で作成される公文書すべてに作成段階で文書番号を付与することができる。この番号は、一元的に管理されるため、重複や紛れがな
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